
今日はゼラチンはどのくらい入れた方がいいの?という疑問を解説!
はじめに
「ムースを作ったのに固まらない…」「食べたら硬くて残念…」
そんな経験、ありませんか?
実は、ムースのなめらかな口どけを左右しているのは“ゼラチンの割合”です。
ほんの少しの違いで、ふんわりとろけるムースにも、かための食感にもなります。
今回は、パティシエ経験をもとに失敗しないゼラチンの黄金バランスと、
使い方のコツをわかりやすくご紹介します。
ゼラチンとは?ムースで使う理由を知ろう

ゼラチンは、動物のコラーゲンから作られる天然の凝固剤です。
水分を冷やすことでぷるんと固まり、なめらかな食感を生み出します。
ムースは、生クリームやピューレなどの液体を泡立てて作る“やわらかいデザート”。
そこにゼラチンを加えることで、ほどよく形を保ち、口の中で溶けるような舌ざわりになります。
寒天やアガー(カラギーナンなど)でも固めることはできますが、
ゼラチンは低温でも固まりやすく、なめらかさや口どけの良さは別格。
ムースの軽やかさを引き立ててくれる、大切な材料なんです。
ムースに使うゼラチンの割合の目安
基本の割合(液体全体に対して)
ムースを理想の食感に仕上げるための目安はこちらです👇
- やわらかめ(口どけ重視):1.0〜1.5%
- 標準(ほどよく固まる):1.6〜2.0%
- かため(型抜きや層仕立てに):2.2〜2.5%
たとえば、水分量が200gの場合:
- 1.0% → 約2g
- 1.5% → 約3g
- 2.0% → 約4g
- 2.5% → 約5g
| 食感タイプ | ゼラチン割合 | 仕上がり | 用途例 |
|---|---|---|---|
| とろける口どけ | 約1.0〜1.5% | やわらかい | カップデザート |
| 標準 | 約1.6〜2.0% | なめらか | 一般的なムース |
| しっかりめ | 約2.2〜2.5% | 固め | デコレーション・型抜き向き |
💡たった0.5%の違いで、食感がガラッと変わります。
見た目だけでなく、スプーンを入れた瞬間の“なめらかさ”を意識して調整しましょう。
ゼラチンの種類による違い
ゼラチンには大きく分けて「粉ゼラチン」と「板ゼラチン」があります。
- 粉ゼラチン:家庭でも使いやすく、計量が簡単。水に振り入れてふやかします。
- 板ゼラチン:透明感があり、臭みが少なくプロの現場でも人気。冷水に浸して柔らかくします。
どちらを使っても凝固力はほぼ同じですが、メーカーや種類によって微妙に差があるため、
レシピに書かれたタイプで統一するのがおすすめです。
失敗しないゼラチンの使い方
ふやかし方
ゼラチンは必ずふやかしてから使います。
これを省くと、溶け残ってダマの原因に。
- 粉ゼラチン:水(または同量の冷水)に振り入れて5〜10分
- 板ゼラチン:冷水に5〜10分つけて柔らかくする(常温だと溶ける可能性があります)
- 熱湯に直接入れるのはNG! → 固まりにくく、臭みの原因になります。
溶かす温度
ゼラチンは60℃前後で完全に溶けます。
90℃以上になると凝固力が弱くなるので注意!
レンジで加熱する場合は、数秒ずつ様子を見ながら溶かしましょう。
加えるタイミング
ゼラチン液をムースベースに混ぜるときは、温度にも注意が必要です。
熱すぎると泡が消えふわっとしたムースでなくなってしまい、冷たすぎるとゼラチンが固まり始めてダマになります。
目安は40℃前後。
ゼラチンを溶かしたベースが人肌より少し温かいくらいになったら泡立てた生クリームを2回に分けて混ぜると、なめらかに仕上がります。
よくある失敗と原因
| 失敗内容 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 固まらない | ゼラチンの溶け残り・温度が高すぎ | しっかり60℃で溶かして、40℃以下で混ぜる |
| かたすぎる | ゼラチンの入れすぎ | 全体の2%前後が目安 |
| 水っぽい | 生クリームの泡立て不足/混ぜすぎ | 七分立てでふんわり混ぜる |
| ゼラチン臭い | 過加熱または長時間ふやかしすぎ | ふやかし時間は10分以内に |
| ダマになる | 冷たい液体にゼラチンを加えた | 温かいベースに少しずつ溶かす |
ポイント:
ゼラチンは“温度管理”がすべて。
焦らず、温度を見ながら丁寧に扱うのが成功の秘訣です。
素材別おすすめ割合の目安表
水分力に対してのゼラチン量の目安がこちらです。
| ムースのタイプ | ゼラチン割合 | 特徴 | ポイント |
|---|---|---|---|
| フルーツムース | 2.0〜2.3% | 酵素で固まりにくい | 少し多めにして安定感を出す |
| チョコムース | 1.0〜1.5% | 油分が多い | 0.5〜1.0%でも可(チョコは固まる力があるので少なめで◎) |
| チーズムース | 1.8〜2.0% | コクがある | 標準で◎ |
| ヨーグルトムース | 2.0〜2.2% | 酸味がある | しっかり固めにすると形が安定 |
フルーツムースはキウイやパイナップルなど、酵素のある果物だと固まりにくいので注意。
加熱してから使うと安定します。
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ムースは繊細なデザートですが、コツさえつかめばおうちでも失敗知らず!
- 基本は全体の約1.8%前後が黄金比
- 素材や食感の好みに合わせて微調整
- 温度・ふやかし・混ぜ方を丁寧に
たった1%の違いで、口どけや舌ざわりがまるで変わります。
ゼラチンの扱いに慣れると、ムース作りがぐんと楽しくなります。
自分好みの食感を見つけて、“おうちカフェ”の時間を楽しんでくださいね🕊



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