
寒天とゼラチンの性質や食感の違いなど解説していくよ!
はじめに
「寒天とゼラチンって同じ“固める素材”じゃないの?」
そう思って使ってみたら、「全然固まらない!」「思ったよりかたすぎる…」なんて経験、ありませんか?
実はこの2つ、原料も性質も、固まり方もまったくの別ものなんです。
同じスイーツでも、寒天で作るのとゼラチンで作るのとでは食感が驚くほど変わります。
この記事では、パティシエの視点から「寒天とゼラチンの違い」「正しい使い方」「スイーツ別の使い分け方」をやさしく解説します。
これを読めば、あなたも“食感をデザインできる”お菓子作りができるようになります🍓
寒天とゼラチンはどう違う?
まずは、基本の違いを表で見てみましょう👇
| 比較項目 | 寒天 | ゼラチン |
|---|---|---|
| 原料 | 海藻(テングサなど) | 動物性コラーゲン |
| 固まる温度 | 約40℃以下で固まり、常温でもOK | 約10℃以下で固まり、室温で溶ける |
| 溶ける温度 | 90℃以上 | 約30℃前後(口の中で溶ける) |
| 食感 | しっかり・歯切れのある弾力 | ぷるん・とろけるなめらかさ |
| 透明度 | やや濁る | 透明感が高い |
| 保存性 | 常温でも形を保つ | 常温では溶けるため冷蔵必須 |
| 主な用途 | 水ようかん・フルーツ寒天 | ムース・プリン・ゼリー |
💡覚え方のコツ
寒天=“常温で崩れない”しっかり食感
ゼラチン=“冷やして楽しむ”ぷるぷる食感
寒天の特徴と使い方
寒天は海藻由来の天然素材で、植物性・低カロリー・食物繊維が豊富。
ヘルシースイーツにもよく使われます🍃
一度沸騰させて完全に溶かすと、常温でしっかり固まるのが特徴。
だから、夏場でも溶けにくく、常温で長持ちします。
羊羹の食感をイメージしてもらえればわかりやすいと思います!
寒天の基本的な使い方
- 水と一緒に鍋に入れて完全に沸騰させる(90℃以上)
- 2〜3分しっかり煮溶かす
- 火を止めて砂糖や果汁を加える
- 型やカップに流して冷ます
💡ポイント:
寒天は沸騰させないと溶けきらないので、弱火で煮るだけではNG。
透明感が出ない・固まらない原因になります。
寒天の割合目安(液体100mlあたり)
- やわらかめ:0.8g
- 標準:1.0g
- しっかり:1.2〜1.5g
※フルーツを入れる場合は、少し多めにすると崩れにくくなります。
ゼラチンの特徴と使い方
ゼラチンは動物性のコラーゲンを主成分とする天然のたんぱく質。
冷やすとぷるんと固まり、体温でとろけるような口どけが魅力です。
プリンやムースなど、なめらかでクリーミーな口溶けの良い食感を出したいスイーツに最適です。
ゼラチンの基本的な使い方
- 粉ゼラチンなら水に振り入れて5〜10分ふやかす
- 板ゼラチンは冷水に5〜10分つけてやわらかくする
- 60℃前後の液体でゆっくり溶かす
💡注意点:
90℃以上で加熱すると臭みや凝固力が落ちるため、沸騰させないように!
関連記事:「ムースが固まらない?失敗しないゼラチンの割合と使い方をパティシエが解説!」
ゼラチンの割合目安(液体100mlあたり)
- やわらかめ:1.0〜1.5%
- 標準:1.8〜2.0%
- しっかり:2.5〜3.0%
🍮ポイント:
ゼラチンは冷やして固まる素材。
冷蔵庫で3時間以上しっかり冷やすと、なめらかに仕上がります。
食感の違いを比較してみよう
| スイーツの種類 | 寒天使用 | ゼラチン使用 |
|---|---|---|
| フルーツゼリー | 弾力が強く歯切れがよい | ぷるんと軽い口どけ |
| ムース | 固まりすぎて不向き | なめらかで軽い食感に◎ |
| プリン | 分離しやすく舌触りがざらつく | とろけるクリーミー食感 |
| 水ようかん | 定番・きれいに固まる | 溶けやすく不向き |
🍓食感を楽しみたいスイーツは寒天、
なめらかさを重視したいスイーツはゼラチンがぴったり!
寒天とゼラチンの使い分けのコツ
どちらを使うか迷ったときは、この基準で選びましょう👇
| シーン | おすすめ素材 | 理由 |
|---|---|---|
| 夏のおやつ・常温スイーツ | 寒天 | 常温でも崩れず保存しやすい |
| ムース・プリン・ゼリー | ゼラチン | なめらかで冷たい口どけが出せる |
| ビーガン・ベジ対応 | 寒天 | 植物性素材で安心 |
| ケーキの層やデコレーション | ゼラチン | 透明感があり美しく固まる |
💡応用テクニック
寒天+ゼラチンを一緒に使う”ハイブリッドスイーツ”もおすすめ。
寒天で形を保ち、ゼラチンでとろける口どけを出すことで、
カフェ風の層デザートが作れます✨
失敗しないためのポイントまとめ
| よくある失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 寒天が固まらない | 加熱不足・酸味の強い果汁を直接加えた | しっかり沸騰させ、酸味は火を止めてから加える |
| ゼラチンが固まらない | 温度が高すぎ/酵素フルーツを使用 | 60℃前後で溶かし、果物は加熱して使用 |
| 食感が悪い | 計量ミス/混ぜすぎ | 液体の重さを基準に%で計算する |
| 透明感がない | 泡が入った | 混ぜるときは静かに、泡を取って冷やす |
寒天は「沸騰させて溶かす」、ゼラチンは「沸騰させない」が鉄則!
この違いを覚えるだけで失敗率はぐんと下がります。
まとめ|違いを知ればスイーツの幅が広がる

ゼラチンや寒天を使い分けてお好みの食感を探してみてね!
寒天とゼラチンは、見た目こそ似ていても性格はまったく違う素材。
それぞれの特徴を理解して使い分ければ、食感も見た目も思い通りに仕上がります。
- 常温でしっかり固めたい → 寒天
- 冷やしてとろける食感にしたい → ゼラチン
スイーツ作りは“素材を知ること”がいちばんの近道。
寒天とゼラチンを上手に使い分けて、
あなたのおやつ時間をもっと魔法のように楽しんでくださいね🕊



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